【完】蜂蜜色のヒーロー。
私も、って返そうした瞬間、「待たせてごめん!」と長谷川くんがやって来て、それは叶わなかった。
長谷川くんがやって来たにも関わらず、私から一切身体を離そうとしない路惟くんは、無言でじっと長谷川くんを睨みつけた。
「えーと、そこのイケメンは例の彼氏?」
「あ、うん。名前は───」
「御津です、よろしく」
私の言葉を遮って、淡々と申し出た路惟くんに、長谷川くんは困惑したような色を浮かべた。
路惟くんが来ることは伝えてたし、これは態度の問題、かな。
「あの、長谷川くん」
「ん?」
「この前は、いろいろ酷いこと言ってごめんね」