【完】蜂蜜色のヒーロー。


関わりたくない、とか傷つきたくないと理由付けをして、長谷川くんの話も聞かずに突き放した。



あのときは突然のことでパニックになっていたけど、冷静になった今なら言いすぎたって思える。


ずっと後悔してたんだ、だからごめんね。



「いや、あれが正常だと思うし。妃莉が謝ることはひとつもねーよ」


「……ありがとう」


「待って、真面目な話する前にちょっと、世間話しねえ? コーヒー来てからにしよ」


「うん」



店員さんに、長谷川くんの分のコーヒーを持ってきてもらう間、適当に話していることになった。


……と、長谷川くんがキラキラした瞳で路惟くんを見つめた。



「きれーに髪染まってんね、どこで染めたん?」


「……は」


「いいじゃん、金髪ってすげー痛むからさ。教えてよ〜、ね?」



にひひ、と笑った長谷川くんに呆気にとられたようにぽかんとしていた路惟くんは、意外にもさらりと美容室名を答えた。


そっか……ふたりとも、髪を染めてるんだね。



「へー、今度行ってみよー。あ、一緒に行く?」


「バカ、女子じゃねぇんだから行かねーよ」


「なーんだ、つれないね御津」

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