【完】蜂蜜色のヒーロー。


「……もう、あんなことは誰にもしてほしくない。長谷川くんはもともと素敵なひとだし、真面目になれば両想いにだってなれるよ。


だから、自分が後悔するようなことも、相手を傷つけることも、してほしくないの。それだけ約束してくれる?」




何人も彼女を掛け持ちしても、誰にも文句を言われない整った顔つき。


すらりと長いモデルスタイル。


透き通るような声。


運動神経も勉強も秀才なんだから、きっと失恋なんてすることなく、すぐに彼女だって作れる。



そうしたらきっと、長谷川くんは幸せになれると思うんだ。だからもう、誰かを傷つけずに生きてほしい。


それくらい、今の私は長谷川くんを大切に思ってるから───。



「……わかってる、ちゃんと約束する」


「ありがとう、長谷川くん。恋したらまた、教えてね」


「おう! ……つか、そろそろ下の名前で呼んでくんね?」

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