【完】蜂蜜色のヒーロー。


これは、生真くんと葵を連れ出すための口実、ってことでしょう。



「ありがとう、御津くん」


「なにが」


「え? ふたりを連れ出すの、手伝ってくれて」


「そんなつもり、なかったけど」



私の隣に座った御津くんは、顔色ひとつ変えないまま、私の目を見つめた。


こんなに綺麗な顔に見つめられたら、もちろん平常ではいられないわけで、思わず俯いた。

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