【完】蜂蜜色のヒーロー。
「最近、“イケ女”間でお弁当を作って、SNSにアップするのが流行ってるんだって」
「………」
「だからね、お弁当箱専門店までできたから、そこに行こうと───」
「“イケ女”、ってなに」
……今の話で食いつくのは、そこ?
確かに私、“イケ女”って言ったけど、大して興味を持つことじゃあないよ?
「えっと……イケてる女子のこと、かな」
「……?」
「あ、葵みたいな女の子のこと! 私じゃない女子のことだよ」
具体例を出したほうがわかりやすかったみたいで、葵を思い出して「ああ」と頷いた御津くん。