【完】蜂蜜色のヒーロー。
私を置いて、さっさと教室から出て行ってしまった御津くんを、慌てて追いかけた。
お世辞にも紳士的とは言えない御津くんはもうすでに、階段のところまで───というか、階段でこちらを向いて、待ってくれていた。
「ごめんっ、お待たせ!」
「うん」
追いつくと同時に歩き出した御津くんは、「どこ行くの」と聞いてくる。
「ちょっと遠いんだけど、南町にあるショッピングモールへ行こうと思って」
「へえ」