冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
ぐい、と不意にあごを掴まれ顔を上げさせられる。

クラウスの双眸が放つ眼光は、射込まれるように鋭く強烈だ。
身体は文字どおり凍りついた。

「安逸な死など与えてやらん」

それは逃れようのない宣告だった。

———俺に見つかったのが運の尽きだ

彼の言葉のその一語一語が、脳髄に焼きごてをあてられたように、刻印されてゆく。

「お前を縛りつけてやる。この残酷な世界にな」

死よりもなお昏い淵に追いつめられた、そんな心地がした。
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