冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
階段の手すりは重厚なマホガニーで、鋳鉄製の支柱はつる草を象った優美な細工がほどこされている。

さりげなく壁に飾られた絵画、銅刻版、孔雀の羽でできた扇、十字に重ねられた剣・・・目に映るどれもが価値のある稀少な品なのだと分かる。
むろん細部にいたるまで、ちり一つなく掃除が行き届いている。

本来ならば一生足を踏み入れることもなかった場所だ。

二階の奥まった一部屋に案内された。

わぁ・・・
思わず内心ため息をこぼす。

幼い頃に童話で読んで憧れたお姫様の部屋のようだった。
明るく柔らかな色で統一された、豪奢でそれでいて品のいい室内装飾。

そして部屋には三人のメイドが控えていた。

それでは後ほど、と告げてリュカが部屋を辞す。
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