冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
あばき立てるような真似をしたのは自分だ。

“お姉さま” が男性だったなんて・・・

申し訳なさと、そして、心のどこかには信じきれない気持ちが固いしこりのようにわだかまっている。

半べそ状態になっているフロイラを抱き寄せて、クラウスはにやりと笑んでみせる。

「ーーーで、お前はこの先、俺と運命を共にしたいんだって?
それが心からの望みだと、そう言ったな」

・・・言った。自分は確かにそう言った。
でも、それは・・そんなーーー

「いいぞ、叶えてやる」

心のなかで、悪魔・・・とつぶやく。
自分の発言をまったく後悔しなかった、というと嘘になる。

子どものようにメソメソしているフロイラのひたいに軽く口づけて、「ほら、約束だろ」とクラウスが手を差し出す。

「夜明けの庭を二人で探検しよう」

話しているあいだも、夜明けの庭は刻々とその表情を変えつつあった。
< 246 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop