秘密のキミと
後ろで戸惑っている彼は気にせず、
ハンカチを軽く絞ったあと、
「これで冷やして」
応急処置にしかならないけど、
なんて言いながらハンカチを渡して
去ろうとした。
ハンカチを落としたような音が聞こえたけど、
そこまで私はお節介じゃないから
「あとはご自分で」
なんて言ってその場を離れた。
時計を見たらもう am 9:00 を越えていた。
「やば...遅刻.....」
入学式には間に合わない...
だけどその後の授業には間に合うように。
だから私は気づかなかったんだ。
大切なことには何も気づかないまま、
急いで学校へと向かった。