秘密のキミと
美しかった。
ただ、ただ、美しかった。
“ 美しい ”
…なんて、泣いている人に向けて使う言葉では
ないと思う。
だけど、私はそう思ったんだ。
そこにいたのは金髪の少年だった。
俯いているし、ここにはその人しかいないから
きっと泣き声の正体はこの人。
少し傷んでも見えたけど
太陽に照らされたその金色の髪は
眩しいくらいに輝いて
サラサラと風に靡いていた。
学生...かな?
グレーのブレザーの袖からは
キャラメル色のセーターが見え隠れした。