お見合い相手は冷血上司!?
 私を包んでいた腕は解かれて、彼は一歩、私との距離を空ける。

 驚きのあまり声が出ない。

 え、何……? 課長、今なんて……。

 何が起こったのか理解が出来なくて、ただ徐々に動きを早めていく鼓動が、私に現実を突きつけているようだった。

「……え、課長? あの、」

 絞り出そうにも、上手く言葉が紡げない。

「もう、会えないって……」

 自分で口に出すと、途端に全身が冷たくなり、胸は鉛の玉が落ちたように鋭く痛んだ。

「言葉の通りだ」

 ぐにゃりと歪んだ視界の向こう側から、彼は抑揚のない言葉を投げる。

 好きだって。
 甘えろって。
 ずっとそばにいるって、言ったのに。

 ……違う。私は、彼にこんな言葉を投げかけたいわけじゃない。
 この胸がこんなにも痛む理由を――

 
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