浅葱色の記憶
見廻組
やっと、首の痣が消えた

あれから、未来との繋がりはない



「変わりないですか?」

「はい ご心配おかけします」



山南さんが、定期的に聞いてくれる

新選組で唯一、私の素性を知る人

皆、本当は気になるんだろうけど


〝サクタ君が、いなくなるからダメだよ〟


山南さんが念押ししてくれている









寒っ

洗濯機が恋しい



洗濯板を片付け、洗った物を干していく



あっちの私が死んだら

こっちの私も死ぬのかな…


たまたま助かって、今ここにいるけど


これは、奇跡的なもの



いやいや、元々奇跡じゃん



「大丈夫か?」


「うわぁ!!!原田さん!!!
威かさないで下さい!!!」


「そんなに驚くなら、攻撃しときゃ
勝ってたかもなぁ!惜しい!!」


未だ、負けたことを根に持っている



「サクタ… 俺な
そろそろ別宅から通おうと思うんだ
おまさの腹も立派になってきたしな」


「そうなんですか
…ちょっと、さみしいです」


「ちょっとかよ!」


「はい ほんの少しです」


「減ってねぇか?」


「かなり少しです」


「サクタァ!!」


「あはっだって、どうせ毎日くるんでしょ?
さみしくないですよ!
おまささんは、ずっとさみしいのを
我慢して待ってたんでしょうから
優しくしてあげて下さいね」


「おう」


「産まれたら遊びに行ってもいいですか?」


「産まれる前でも、いつでもこい」


「はい!」


「サクタ」



がっつり肩を抱かれ、耳打ち



「お前らも、早く作れ」



それ、子供ですよね?



「余計なお世話です!」




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