私たちの、歪な関係





















「はぁっはぁっ」


しばらく走って、人気のない校舎裏まで来た。


「ごめん、走って」

息一つ切れてない隼が息が切れて膝に手を置き肩で息をする私に言う。


「だ、大丈夫…」

ふぅ、と呼吸を落ち着かせると私は体を起こして隼を見上げる。

「ありがとう、また助けてくれて」


隼は私が困ってる時必ず助けてくれるヒーローだ。


ヒーローなんて言ったら隼は困るだろうけど、ほんとうに。


「隼は私のヒーロー」


言っちゃった。

慌てて口元を手で隠すがもちろん全く意味が無い。



「ヒーロー?」


首を傾げる隼。

「私が困ってる時いつも絶対隼が助けてくれるの」

私はそう言って笑うと、隼も笑ってくれた。


「困った?ヒーローなんて言われて」

「うん、困った」

やっぱり。

ごめんね、と力なく笑うと隼はそれをなんだか嬉しそうに笑って


「優衣は俺が助けなきゃダメだからね。
だから俺から離れるなって言ったのに」


と涼しい顔をして言った。


「優衣がヒーローって言うならヒーローなのかもね。」


私が"ヒーロー"と言ったのをバカにしたように隼は言った。


「ばーか」


それに舌を出して言う。

「ばかは優衣」

すると隼はそう言って私にキスをした。

「ちょ、は……」


急で驚いたが、私はすぐに隼のキスに答えた。
























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