私たちの、歪な関係

そして私の肩を持ったまま人混みから少し離れたところに来てくれた。


「花音にちょっとおつかい頼まれたから、
ついでに夜ご飯買っていこうかなぁって…
隼はなんで?」


「まぁ俺も似たようなもん。
母さんに頼まれた」

隼もか…

隼の手にはもう買ったらしい袋がぶら下がっていたのに気がついた。

「じゃあ、ありがとね。助かった」

そう言って隼と別れようとすると、隼は慌てて私の腕を掴んだ。

「バカかよ…
何買うの?行くよ」

バカって……

「焼きそばだけど…、隼もう帰るとこだったでしょ?」

「また絡まれたらどうするの?
ほら、とっとと行く」

隼はそう言って私の手に自分のそれを絡ませると歩き始めた。

隼……怒ってる?


と思いながらも、また絡まれるのは面倒だなと思ったので大人しく隼と行動することにした。

そして私は焼きそばを4つ買うと1つ隼にあげた。

ありがとう、と言って。

すると隼は嬉しそうに受け取ってくれた。






「ねぇ、ちょっと熱くない?」

帰ろうとした時、隼が言った。

「確かに、熱気あるもんね」

私は手で顔を仰ぎながら言う。

「せっかくだし、少し回っていこうよ。
時間ある?」

隼が少しウキウキした様子で言ってきた。

珍しいな、隼がこんなに楽しそうなの。

「うん、そうだね!回っていこう、時間は全然あるよっ」

それをみて私も嬉しくなったので、お祭りもせっかくだから楽しむことにした。



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