死神執事と、トラブルメーカーな私の話
薄い暗闇の中、沈黙が訪れる。カーテンの隙間から漏れる月の光が、浅く上下する哨の肩を照らす。

目を凝らして哨の目に映る感情を読み取ろうとした時、哨が横を向いた。黒い髪が垂れ、ハロスの視線を遮るように哨の目元を隠す。


「・・・関係ないでしょ」


吐き出すような言葉が、いつもより大きく部屋に響く。


「ーーしつこいのよ。
・・・執事なんだから・・・口出ししないで。仕事だけこなせればいいの。

ーーっ私に、構わないで・・・・」


語尾が震える。濡れた声に、ハロスは目を見開いた。
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