死神執事と、トラブルメーカーな私の話
まだハロスに母親のことを言おうか言うまいか悩んでいるのか、ーーそれとも。


「・・・あなたには、知られたくなかったのよ」


俯いた哨の前髪が白い肌に影を落とす。影の下の眉はきつく寄せられていて、彼女の胸の苦しさを色濃くうつしていた。


「・・・なんで。言いにくかったのか」


そんなはずはないと思っていた。数年ではないにしろ、そこそこ長い時を彼女のすぐ側で過ごしてきたのだ。

その分会話も交えてきた。悩みや迷いも相談されたことはあった。周囲の人間に比べれば、そういう話はしやすいはずだ。
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