副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「香織ちゃん、ありがとう」
誠は、その男の情報を手帳に書き留めると、香織にお礼を言って軽く息を吐いた。
「誠、どうする気だ?」
弘樹の問いに、
「どうもしないよ。ちょっと今どうしてるか調べるだけ。もうすぐ?もう出てくるんだろ?」

香織は頷いた。
「もう、出てるかも」

「どこから?」
弘樹にジッと見られて香織は苦しげな表情で答えた。
「刑務所」

弘樹も事の大きさを悟り黙った。

「かなり莉乃がその事で不安がってるから、とりあえずきちんと状況を調べないと」

「私も、莉乃に会う時間作ります」

香織の言葉に、誠も微笑んだ。

誠はチラッと腕時計を見ると、22時を過ぎたところだ。
< 132 / 323 >

この作品をシェア

pagetop