副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
誠は携帯を取り出すと、莉乃にメッセージを送った。

【体調は?眠れてるか?】

(返事がなければ、それでいい。立ちくらみもしていたし……)

すぐに既読がつき、誠はため息をついた。

そんな誠の様子を見て弘樹は声をかけた。

「どうした?」

「いや。じゃあ、俺行くわ。2人はゆっくりしていって。香織ちゃん、ありがとう」

「誠さん……莉乃の所行くんですか?」
香織は少し戸惑ったような顔をした。

「……今日、調子悪そうだったから少し様子見て来るよ。香織ちゃん、今日俺が聞いたこと、莉乃には黙っててくれる?」

莉乃は頷くと、
「誠さん……莉乃のこと……どう……」
誠は香織の言葉の意味を理解し、今は何もいう事ができず香織を見て微笑んだ。


「じゅあな。弘樹、香織ちゃん」


軽く手を振ると、誠は店を出た。

【大丈夫だよ】
と莉乃からの返事に、

【今から行く】

それだけを返すと、すぐに既読がついてしばらくして、
【ありがとう】

その文字を見て、誠は急いでタクシーに乗り込んだ。
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