副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
俺はバラの香りを思い切り吸い込んだ。
そして、なんとか冷静を装い莉乃のもとに戻った。

「ホントだな。いい香りがする。」

「じゃあ、お先に…。」
莉乃がそう言ってバスルームに消えるのを見ていた。


「誠、ありがとう。誠もどうぞ。」
その声に、俺は振り向いた。
髪の毛を拭きながら、バスローブ姿の莉乃を見て完全に落ちた。
女のバスローブ姿なんて見慣れているはずだった。
いつものように、褒める言葉を探すも何も出てこなかった。


「…ああ、入って来るよ。」
俺はそれしかいう事が出来なかった。

熱いシャワーを浴びて、自分のヘタレさに落ち込んだ。

弘樹のガキの恋愛という言葉が、身に染みた。

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