副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「終わった……」

すとんとソファーに腰を下ろすと、莉乃は大きく息を吐いた。

「お疲れ様」
莉乃をそっと後ろから抱きしめた誠は、莉乃の顔を覗き込んだ。

無事に披露宴も終わり、友人同士の2次会も終わり、ホテルの部屋に戻ってきていた。

2次会用のミニワンピのウェディングドレスのままの莉乃は、そんな誠に問いかけた。
「ドレス脱いじゃいたいから、先にお風呂入っていい?」
たくさん止められた髪のピンに手をかけた莉乃に、誠は莉乃の手を止めた。

「莉乃、俺にやらせて?」
「え?」
莉乃の返事を聞かず、誠は莉乃の髪に触れると、ピンを1本1本取っていった。
少しずつ締め付けられていた感覚から、解放される感覚に莉乃は大きく息を吐いた。

もうすぐ全部のピンが取れるところで、誠は首筋にそっとキスを落とした。
ピクンとした莉乃を見ながら、誠は最後のピンを取った。

「もう」
と少し膨れたような顔をした莉乃の顔を眺めながら、
「今日は本当にお疲れ様。ドレス、すごく似合ってた。綺麗すぎてあの場で押し倒したかった」
少し欲を孕んだ誠の瞳に、莉乃はドキっとしてそのまま誠の瞳を見つめた。

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