あなたの色は何色?
嘘つき
私は、佐藤空。高校一年生。私には生まれ持った能力がある。そう、人の感情がわかる能力だ。能力と聞くと多くの人がいいなぁと思うかもしれない。でも…そんないいものじゃない…。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
そして日直の号令。
からの、十分休憩。
女の子達はみんなで集まって騒いでる。声が大きいから聞こえてくるんだよ。
「ゆーかってマジかわいいよねぇマジ羨ましいわー」
「そんな事ないよぉ〜、まなの方がかわいい」
そうお互いを褒めあっているのはクラスの中心人物である早苗裕香と、多比良愛花だ。
確かに二人ともかわいいと思う。
早苗さんは、女の子って感じのかわいさで、多比良さんは、きれいっていう感じだ。
お互いに嘘の色が出まくってるけど。
お互いに嘘で褒めあって何が楽しいんだろ?
わかんないや。もう一つのグループの声も聞こえてくる。
「ねぇねぇあの子ってあの人と付き合ってたらしいよー」
「えーまじ?見かけによらず肉食だ、あの子」
「ねー、あとさぁー…」
うわさ話好きすぎだよね、ほんと。あと、声ひそめなよ。ばれるよ?
はぁクラスに居たくない。楽しくない…おもしろくない…みんな嘘ばっか。もうイヤ。
とまぁこんな感じの日常。私はというと今は体育の片付けを押し付けられてしているところ。
「重っ…」
女子一人に持たせる荷物じゃないよこれ。
「佐藤さん、俺手伝うよ?」
「………そう、ありがと」
関わりたくないけど致し方ない。重いものは持ちたくないもん。
「佐藤さんさぁ、いつもみんながやりたくないことをさ率先してやってるじゃん?俺…そういうのすごいと思うし、尊敬するよ」
「…」
私は沈黙を貫く。だって
「俺、佐藤さんのことさ、えーとそのさなんというかね、その好き…なんだよね…。もし、よかったらさ…付き合って欲しいです」
この人…
「ダメかな?」
嘘つきだもの


< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

大好きな君と

総文字数/1

恋愛(ラブコメ)1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop