「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「解き放たれる想いと聖なる口づけ」
額をおさえて、ローレルは「何すんだ!」と声を上げた。

キルクークはその瞳を見下ろして囁いた。

「唇に触れても?」

それが口づけをさすのだということは、すぐに気がついた。

「だっダメだ!」

「男の姿ではないですよ?」

・・確かに

昼間、男の姿の時にファーストキスなんて・・と言った言葉を忘れたわけじゃない。

だけどー

「婚約者と接吻するのはおかしな行為ではありませんよ?」

「・・っ、ダメだ!」

力強い腕に抱かれて身動きが取れない。

けど、唯一自由になる右手でその胸をついた。

「はなせよっ」

このままじゃー

胸がドキドキして死にそうだ。

「ええ、いいですよ。」

キルクークはそう言い置いて、ローレルの顎に指を這わせた。

「口づけしたら、解放して差し上げます。」

「しないって言ってる・・」
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