「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
カインは旅行鞄を俺の足元にドサリと音を立てて置いて、答えた。

「一般的には男を相手にするのは同性愛者のみです。それを否定するつもりはありませんが、王子がバイセクシャルとは知りませんでした。」

「だ、誰がっ、俺はっ別に男を抱きたいとか男に欲情したりは・・っ!」

ローレルだけだ。

ローレルが特別なんだ。

「さ、用意はできました。できれば夜陰に紛れて出られることをお勧めしますね。王に知られればお止めされるのは目に見えてますから。」

「うむ。」

「私も変態王子の行く末が気が気ではありませんが、まぁ飽きたら帰ってきたらいいんじゃないですかね。」

「誰が変態だ。」

俺は馬車に乗り込み、カインから鞄を一つ受け取った。

「ま、何とかなるでしょ。」
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