「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「入りなさい。」

・・

「え?」

カインの許可を得て、部屋の扉が開く。

男は頭を下げたままゆっくりと部屋の中に入ってきた。

「ちょ、カイン、待てよ。嘘だって、冗談だろ冗談。」

これ、本気のやつだ・・。

カインに愛想を尽かされることなんかあるわけないって、勝手に思ってただけ・・なのか?

「私は冗談ではありませんよ。まぁ、しばらくはこの後継者の補佐として残りますが・・。」

後継者ってー

「さ、頭を上げて、王子にご挨拶なさい。」

カインはその若い男に、微笑んで命じた。

カイン以外の侍従なんかいらないのに・・。

俺はため息混じりにソファーにどかりと腰掛けた。

「いいよ別に。」

どうせすぐカインに戻させるし。
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