「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「そして・・直属侍従へ」
一国の王子がひとりで町歩きなど・・するわけがない。

それは自分もそうなのだからわかっているつもりだ。

だが、あれは間違いなくローレルだ。

どういうことだ・・?

利発そうな方だったから、ひとりでもお忍びで町に出てしまうのだろうか?

だとしたら・・何たる危険なことだ・・。

侍従は何をしているんだ!

俺はさっさと城に向かうことに決めた。

侍従心願書を門番に見せると、間も無く侍従の間に通された。

そこには幾人かの先客がいて、各々着座して待機している。

俺もそれに倣い、ソファーに腰を下ろした。

直属侍従になるための訓練・・その期間は1年。

そのうえで今のローレル付き侍従から直接後任の命を受けた者だけが勝者だ。

間違いなくその命は俺に下る。

俺しかその役目を果たせる者はいないからな!

< 24 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop