「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「ほんとに・・僕が、僕のことが・・?」

ローレルは恐る恐る顔を上げて、キルクークを見やった。

キルクークはええ、と素早く切り返して握り締めたローレルの手の甲に唇を落とした。

「俺の愛しい人。あなたしか俺の目には映らない。」

・・・

まるで王子様みたいだ。

物語の中に出てくる王子様みたい。

・・

ずっと、男でいなくてはと思っていたのに

自分が、女に戻されるようで

ローレルは赤くなっていることを自覚して顔をうつむかせた。

「・・お返事は、いただけないのですか?」

「・・善処、します。」

けど、こう答えるのが精一杯だ。

キルクークは、では、と言って、片方の手を離すと、その手をローレルの頬に当てた。
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