二度目の正直。《短編》




「ほらほら、来たよ」


恵水に声をかけられて前を見ると
少し気だるそうに歩いてくる彼がいた

こう見えてもすごく真面目な人。

隣にいる友達と楽しそうに話をしている



「おはよー」


私が言うと常磐君はこっちをチラと見て、
また友達の方に顔を戻す

いつも挨拶は返してくれない

朝も、帰りも。



付き合ったら言ってくれたりするのかな

…なんてありえないことを考えてしまう





そんなこんなで卒業式が始まる。


緊張で、せっかくの卒業式だけど
泣くことができなかった

これより一大事なんだから!
……私にとっては。


今から告白するんだ。

すー、はー、と深呼吸をして意気込む


ただ「好きだよ」と言えばいいんだ。




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