カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
「まぁ、多分と言うか、おそらくだな。
あいつ、2ヶ月ぐらい前に、俺の家に来たの覚えてるか?」



そう言い終えると、シュンさんは大きな駐車場のスペースに車を停めた。

車のたどり着いた場所は、緑がいっぱいに広がる大きな公園の駐車場。

シュンさんは、運転席の窓を全開にしながら、車のエンジンを止めた。

夏休みと言う事もあり、ここから眺める景色には、楽しげな家族連れが目につく。


シュンさんは、またタバコに火をつけて、その様子を目を細めながら見つめていた。




「今頃…
俺…親父になってたんだなぁ。」




赤ちゃんを抱きながら、歩いている親子を切ない表情で、見送っていた。


あんなに楽しみにしていた赤ちゃんだもんね。

なんて言っていいのか、言葉が私にはみつからないよ。



「あ。わりぃな。
シンミリさせたな。」



ただ黙って首を横に振った。




「わりぃな。カズキが来た日にあいつ、実は…。
車を盗んでここに来たんだよ。
本当は、家出をする気でここに来てたんだ。」









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