カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
「それにさぁ…お前…。
くだらない物出してるんじゃねぇよ?
それでどうしようと思ってんの?」



穏やかな口調で、佳子に語りかけている。


「…」

「先生とか来る前に、さっさとしまえよ?」


カズキの言葉に促されるように、カッタ-を制服の右ポケットに、しまっていた。


それを見たとき、私は、本当にホッとした。


やっぱり、切られたりするのは、痛いし。



--…怖い…



佳子は、何も言わずそのまま教室へと向かっていった。




「舞?ケガないか?」

「うん」

「また、誰か何かしたら、すぐに俺に言うんだぞ?」

「うん!ありがとう」

「これからは、傍にいれるからさ。俺が守ってやるから」


そう言って、私の手をとり、みんなの待ってる場所の中へ駆け寄った。


私は、佳子に、はっきり


「俺の女だ!」

って言ってくれて凄く、凄く!

嬉しかったんだよ?

そんな事口にしちゃうと、ばーかって言われそうだから…

黙ってるけどね。






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