カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
今回は…カズキの一言で大人しく引き下がった、佳子だけど…。

このまま黙って…

引き下がるとは…

私としては考えられなかった。


あの、執念深い佳子からの、更にきつい仕打ちは近い未来の出来事となるんだけどね…。




そんな未来が、待っているなんて知らずに修学旅行前日に時間は流れていった。


今は修学旅行って、浮かれていられるけれど…

これが終わればすぐに、受験モード。

そして…卒業…


私は、またカズキと離れ場慣れになる不安と、将来の事を決めれずにいる、苛立ちが少しづつ私に重くのしかってきた。


授業が終わると、カズキは私を教室迄迎えに来てくれて、そして私達は家に帰る…

これがいつもの日課だった。



「舞~帰るぞ?」

「うん。」


慌てて、机から勉強道具を、紺色のくたびれたスクール鞄へと押し込む。


「またね!フミ、ユキ!明日楽しみだね?」

「「うん。また明日ね」」



二人の声を背中に浴びながら、小走りでカズキの元へと駆け寄る。



「お待たせ!」


「慌てなくてもいいんだからな?」

「うん。大丈夫だよ♪」



そう言って見上げた時、カズキの右目がなんだか赤いのに気が付いた。

「右…目。赤いけど…?
大丈夫?」

「…ん。これな…。
最近ずっと痛いんだ」






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