カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
白い小さな家に着く。

シュンさんは土足で家にづかづかと上がり込んでいた。

ツーンと鼻をつく、シンナーの臭いが家に充満している。



たまらず、鼻を抑えた。


乱暴にカズキが居ると思われる部屋のドアをあけると・・。







そこには、ぐったりと横たわり、腐った魚の目をしたようなカズキの姿が・・。



目は虚で空中を見上げている。




部屋にはカズキの他に2人部屋の中で転がっていた



「平田!!!秋山に連絡して、すぐに来いと伝えろ!」




そう言い放つと、ツカツカとカズキに向かう。






パシーン! パシーン!!









カズキは人形のように動かない…




「コラ!カズキ!まだ辞められねぇ~のか!!」





さらに殴り続ける。





私は、震えが止まらなかった。

こんなシュンさん見たくもなかったし、カズキがシンナーをしてるのも信じられなかった。




何よりも、カズキのその姿が怖かったのだ。



やがて、見知らぬ男達4人がやってきて、他の二人にも暴行を始めた。



二人はヘラヘラと笑っているだけ。










やめて…





もうこれ以上…

殴らないで!!















カズキを…

















これ以上、殴らないで!





祈りにも似た感情が、私の心にこだまする・・。


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