カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
カズキは、紫の特攻服に身をまとい、背中には、獄龍会と金の刺繍がほどこされている。






ひたいからは、血が滴り落ちていた。





「カズキ!!?」




私はすぐに駆け寄り、抱き起こす。




「よぉ…待ってたぞ…」


力ない声。



「俺さ…今、族抜けて来たんだ。
ちびに、族入ってる事、知られたからさぁ。

そしたらよ、こんな、ザマだよ…」




そう言たカズキはよわよわしかった。





「いいのに…いいのに…
今のままのカズキでいいのに…」
涙が溢れ出す。

「ばっかぁだな~。
また泣いてるのか?」





カズキは、私の涙をそっと拭い去ってくれた。







「痛かったでしょう?
痛かったでしょう?」



カズキの額から出る血をハンカチで押さえた。


どうか…血よ…止まって




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