【完】桜が咲く前に~キミとみっつの約束~
でもとーくんはいつものポーカーフェイスのまま、
「…高校、いけるかな…」
ボソッと呟いて顔を少し歪めた。
この時からなんとなくは分かっていたのかもしれない。
とーくんの夢はお医者さんで、今までそのために誰よりも勉強を頑張ってきた。
そんなとーくんが高校に行かないなんておかしい。
でも珍しくポーカーフェイスを少し崩したとーくんにそんなこと聞けるほど私だって空気読めない訳じゃない。
「あ、…そっか!」
でも、この時になにか聞いていれば今なにか変わった?
不甲斐ない私だけどとーくんのために何かできたかもしれない。
そんな後悔の念が今頃私を襲った。