【完】桜が咲く前に~キミとみっつの約束~




『でも、今までありがとう。15年間、かーさんととーさんの子供で幸せ過ぎるくらいに幸せだった。』






とーくんのお母さんとお父さんが今、前を向いていられるのはこの言葉があってこそなんだ。



幸せすぎるくらいに幸せ。


確かにそうだなと思う。

二人の背中を追うとーくんはポーカーフェイスだったけれど確かに笑顔だったのだから。





『菫』





名前を呼ばれて心臓が跳ねる。


まるで、とーくんが好きって言ってるみたいだ。



とーくんの声で聞こえる自分の名前はいつでも宝物だった。

とーくんに呼ばれるだけでとても良い名前だって思えちゃうのはありがちだけど、本当のこと。


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