桜の季節、またふたりで
「違うよ、この服はね・・・」


「バイト休んでまで、あいつと遊びに行きたかったのかよ」


「そうじゃないよ、行きたい大学の雰囲気を知りたかったの。


服は、まどかが気をつかって貸してくれただけ。


竣くんに何度も電話したけど、出てくれなかったじゃない」


「言っただろ、仕事がたてこんでるって」


「竣くんだって、本当のこと言ってくれなかったでしょ。


私、竣くんと社長さんが話してるの、偶然聞いちゃったんだから」


「えっ・・・」


竣くんは、私が聞いたとは思ってもいなかったみたいだった。


「私に話してもなんにもならないけど、隠すことないと思う。


電話にも出られないほど大変なことって、なに?」


「話をすりかえるなよ。


やっぱり、美春にはアイツみたいな学のある男がお似合いだよ」


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