イケメン小説家は世を忍ぶ
「お嬢ちゃんも言うな」

「全て先生の影響です!」

ムッとしながらペットボトルの蓋を閉めて、先生に返す。

「その『先生』って言い方……改めないとな。もう桜井健じゃないから」

先生はペットボトルを受け取ると、蓋を取ってゴクゴクッと飲んだ。

「え?じゃあ、何とお呼びすれば?……殿下でいいんでしょうか?」

今は皇太子じゃないって話だし、どう呼んでいいのかわからない。

「今さら変な敬語使うな。それに、お嬢ちゃんに『殿下』って呼ばれると気持ち悪い。『ケント』でいい」

桜井先生は私の言葉を意地悪く引用する。

「でも……王子様を呼び捨てにするのは……。やっぱり殿下でお願いします」

「そう呼んだらお仕置きだから。こうやって……」
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