俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
その手を握り返そうとしたけれど、急に視線をそらされた。
あーあ、照れてきちゃったか。わかりやすい。
「……そろそろ帰る。しんどくなったら呼んで」
良ちゃんは逃げるように立ち上がり、部屋のドアを開けた。
くっついていた部分が、急に冷たさに包まれる。
「うん。ありがとう。裕子さんにもお礼言っといてね」
裕子さんのおかゆは、卵の甘みがきいていておいしかった。
つい最近まで、かわいい幼なじみだった良ちゃんは、
いつの間にか男の子になっていた。
だけど、それ以来、
良ちゃんとの関係は変わってしまった。