俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
とうとう来たぜこの時が!!!
「戸締りはしっかりするんだよ」「じゃあ、行ってきまーす」
母と祖母はトランク片手に家を出ていった。
よし。これでおよそ2日間、俺は自由だー!
と思ったが。
「くっ……」
ふと親父の遺影が目に入った。
親父が俺をにらんでいるように見えた。
だが! 今日だけは退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!
だって親父。この2日で俺は男になりたいんだ!
お前だってそういう青春の日々があったんだろ?
だったら分かるだろ、俺のこの気持ち最大級。
イェー、素晴らしきこの2連休。
バイトで疲れてバタンキュー、にはならない!
エナさん俺まじアイラブユー!
と、微妙に決まっていないラップを脳内でかましつつ、
俺もバイトに行こうと外へ出た。
しかし、こういう時にこそお約束はつきもので。
「あ、良ちゃん」
あいつもちょうど家から出てきた。
はち合わせてしまった。