俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


母と祖母はそそくさと夕食を終え、食後のお茶&お菓子タイムに入ろうとしている。


おいっ俺のアルフォート勝手に開けるんじゃねー!



「わかりました! 次の期末では絶対、学年10位入ります!」


「できなかったらどうするんだ?」


「ぼ、坊主に……」


「ほう、そうか。じゃあバリカン準備して待ってるぞ」



ああ、言ってしまった。


しかし、親父はなぜか満足そうな顔で夕食を再開した。



これはマジで本気ださなきゃやばそうだ。



せっかく母からもらった床屋代を貯めてたのに。


こっそり髪の毛伸ばしていい美容室行こうと思ったのに。



だけど、俺は、常に届きそうで届かない何かに立ち向かわなければならない。


そうしないと親父は許してくれない。



親父に怒られたくなければ、俺は親父の想像を超えなければならないんだ。きっと。



まだ、一度も超えることはできていない。


一応は、俺だって、もがいている。




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