俺に彼女ができないのはお前のせいだ!







3年の、のぞむというチャラ男とアリサが付き合い始めたという噂は、あっという間に学校中に広まった。



「いってきます」



あくびをしながらヘルメットをかぶり、自転車にまたがった。



流行りの歌を口ずさみながらチャリをこぎ、向かってくる風を浴びていると、


かつて集団登校の集合場所だった公園が見えてくる。



現役の小学生たちはちょうど学校に向けて出発したようだ。



アリサに彼氏ができたら、俺はいつもより5分早めに家を出るようにしていた。


だいたい、アリサの彼氏になった男子は、この公園で彼女が朝来るのを待っているから。



のぞむという男も、もちろんいた。


自転車にまたがったまま片足を地面につけて、スマホをいじっていた。


かと、思いきや。



「……ちっ」



うーわ。にらまれた。舌打ちされた。


しかもコイツ、チャリのくせにヘルメット持ってないじゃん。校則破るなよこの不良が。



俺は軽く会釈をしてから、ペダルを踏み込んだ。



俺とアリサが幼なじみで家が向かい合わせであることは、たいがいの人に知られている。



そして、毎回、アリサに彼氏ができるたびに、

俺は敵対視される存在になる。



まあ、俺、アリサと一緒に寝たことあるし、お風呂に入ったこともありますが、何か?(←どっちも10年以上前)



てか、やっぱりまた目つけられた? マジめんどくせー。



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