俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
と思っていたが――
「げっ」
部活が休みだった俺は、いつもより早く帰路についていた。
家への最終コーナーを曲がった時、前に見えたのは、
横に転ばないか心配になりそうなほどトロトロしたスピードで走る2台の自転車。
きゃっきゃした話し声が後ろまで響いてくる。
その正体は、のぞむとアリサだった。しかも2人ともノーヘル。
仕方がないため、存在がバレないよう俺も絶妙なスピードで自転車をこぐハメに。
2人が仲良くアリサの家の中に入っていったのを見計らい、
俺も自転車を止め、自分の家のドアを開けた。
なぜか、かゆいところに手が届かないような気持ちになっていた。