俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
母は買い物、祖母はどこかへ遊びに行っているらしい。
誰にも邪魔されることなく、自分の部屋に入った。
まだ午後4時、あたりは明るい。
ふと窓の外、アリサの部屋の方向を見る。
ピンク色のカーテンは隙間なくひかれたまま。
俺はなぜかヘッドホンを装着し、友達おすすめの音楽を聴いてベッドに転がった。
アリサの両親は、俺の両親よりも10歳以上年上だ。
小さな会社を経営していて、父親が社長、母親が経理。
祖母から聞いた話だが、
アリサは、両親が結婚して13年後にできた、念願の子どもだったらしい。
そのせいか俺なんかよりも大切に、
悪く言えば、甘やかされてアリサは育った。
流行りの服やおもちゃ、豪華な誕生日プレゼント、家庭教師、ピアノに習字、美容室、とか。
俺には無いものをたくさん与えられてきた。
だから、誕生日が1日違いのくせに、俺をガキ扱いしてくるんだろう。