俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
軽くかがんで、そっと手を伸ばした。
しかし、手は空を切るだけ。あれ、意外とまだ先か?
いいや、やっぱりここだ!
ユージでさえできたんだから俺もいけるはず!
そう思い、俺は姿勢を低くしたまま右手を思いっきり伸ばした。
しかーし!
「うわっ!」
――ばたーん!!
体のバランスを崩してしまい、勢いよくその場に倒れてしまった。痛ぇ……。
「あ……!」
かすかに指先に何かがあたる感触がした。
恐る恐る目を開ける。
伸ばした右手の中指の先が、ギリギリで石に触れてる! 一応、成功したってことじゃね?
「やべぇ、良一超ウケる!」「でも石に触れてるし。すげー執念!」
まわりの男子たちからぎゃはははと笑い声があがった。
面白かったらしく観光客からも写真を撮られていた。
な、なにしてんだ、俺……。