俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
手術がいつ終わるか分からないため、俺も尾家さんに送ってもらい家に戻った。
尾家さんは残ってる仕事を片付けに職場に戻るらしい。
もう夜なのに。サラリーマンすげぇ。
「良ちゃん……」
家に入ると、なぜかアリサに出迎えられた。
「何でいんの」
「良ちゃんのお父さんのお見舞い品、届けに」
「あそ。じゃあ帰れよ」
こいつがいると、今の自分の気持ちが整理できなくなる。
俺はアリサの横を素通りし、階段を上がろうとしたが。
「良ちゃん」
「……何」
「今、1人でいたい?」
「…………」
分かってるならほっとけよ。
とは言えなかった。
なぜかアリサの目が潤んでいて、泣きそうな顔をしていたから。
無言のまま彼女の肩を叩いてから、俺は1人で自分の部屋へと向かった。