今夜、愛してると囁いて。


「香澄、今カフェ店員だっけ?」

「うん。毎日楽しいよ」

「そりゃ良かった。お前、前の仕事ん時毎日辞めたい辞めたいってびーびー泣きながら帰ってきてたもんな」


彼と同棲していた時、そんなこともあったな。

健人があたしと結婚したいって言うから、厳しい父親に土下座してまで同棲を許可をもらったのに、あっさり1年で別れを切り出されたんだからたまったものではなかった。


「俺、彼女と別れた」

「は?」


彼女、とは恐らくあたしに別れを告げる原因となった好きな人のことだろう。


「いつ?」


思わず責めるような口調になってしまったが、そんなのを訂正するつもりはない。


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