生徒会長は今日も恋煩う
生徒会書記は案外わかりやすい



トントンとリズムよく階段を下る。気分は最高潮。


最近ではもう当たり前のように毎朝こうして深月荘の入口前で待ち合わせをしている。


その相手はもちろん、俺の彼女である木南さんだ。


トン、と最後の一段を降りきったところで気がついた。


……あ、またあの人と話してる。


木南さんの左隣には前にも一度見たことのある、確か三階に住まう柴山さんという大学生の姿。


声をかけようか迷っているうちに、俺に気がついた木南さんが振り返った。




「慧太くん、おはようございます」


「あ、おはよう……」




木南さんと一緒に振り返った強面の男性、柴山さんが唇を真一文字に結んだままペコリと頭を下げてきたので、俺も同じように頭を下げた。




「話、聞いてくれてありがとうございました」




木南さんはそう言って軽く会釈をすると俺のもとにやってきた。


どうやら話は終わっていたらしい。



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