生徒会長は今日も恋煩う



「慧太くんは分かってくれてるんですね」


「当たり前だよ」


「ありがとう。でね、私こんなだから今まであんまりまともに友達もいたことないし、彼氏だって慧太くんが初めてで」


「そう、だったんだ」


「うん、だから、そういう境遇っていうか……柴山さんも私に似ているところがあって、色々と相談に乗って貰ってたの」


「柴山さんに?」


「うん」


「相談って?」


「まあ、あの……恋バナ、とか」


「あ……うん……」




俺の知らないところで、木南さんが俺のことを話していた。


それだけのことに頬が緩んでしまう。



< 29 / 30 >

この作品をシェア

pagetop