生徒会長は今日も恋煩う
大丈夫、遅いなんてことはない。
俺だって木南さんのことが好きな男だ。
今からだって努力すれば、それが掴めるかもしれない。
何事もポジティブに捉えなくては。
そう、今日の放課後に逃してしまったチャンスは、男らしく俺の方からデートのお誘いするもう一つのチャンスなんだ。
「俺、やっぱりこのまま隕石に殺されたくない」
「え、は?何の話?」
「明日死ぬ運命だったとしても、今やるべきことをするよ」
「何か壮絶な話になってるとこ悪いんだけど……お兄、頭おかしくなった?」
「それじゃ俺、行ってくるよ」
「ちょっとお兄どこ行くの!?隕石に殺されに行くの!?」
妹の叫びを一切無視して家を飛び出した俺は、木南さんのいる三階を目指して階段を駆け登った。