葉擦村
転勤
会社の上司が、某県某町の新設の事務所に配属された。

その事務所は市街地を遠く離れた山の中にぽつんとあって、夜には車通りも無い、淋しい場所だった。

事務所の前から県道を右にしばらく行くと某町のジャスコに行き当たる。

左にしばらく行くと隣の某村に入るが、村の中心部の集落まではしばらくかかる、そんな立地だ。

その日の上司は、残業で疲れ切って、車に乗り込むとうっかり道を間違えてしまった。

右に出るところを左に出ていた。

車通りも無いので素直に切り返して戻ればよかったものを、上司は脇道に入った。

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